Living with Mothernature

 

往復書簡連載
「自然から教わる豊かでリアルな暮らし」

サイトリニューアルと共に、フリーランスディレクター田上陽子さんとディレクター行方ひさことの往復書簡連載「自然から教わる豊かでリアルな暮らし」がスタートします。田上陽子さんは、結婚を機に、パートナーの暮らす北海道仁木町へと移住。そこでパートナーの営むワイナリーに携わるという新たな暮らしのスタートを切り、そしてこの夏にはハーブのブランド「Su herb」を立ち上げました。結婚、移住、妊娠出産を経て、陽子さんが大自然と対話することで見つけたものや、ハーブのこと、はじめての子育てなどをさまざまな角度からやり取りできたらと思っています。

 

パートナーとの運命の出会いの現場にも居合わせていたにも関わらす、今年に入るまで仁木町にお邪魔することもなかった薄情な私でしたが、今年に入り5月、8月、そして9月と短い期間内にトータル約1週間ほどお邪魔させていただくことが叶いました。

「僕たちの暮らしを感じに来てください。」と、言ってくれたパートナーの言葉を胸に、遊びに行くのではなく、2人の(3人)暮らしを心と身体で体感させてもらうべく、弟子入りする気持ちで挑んだというのが正直なところ。

「ひさこさんには、トマトの苗を植えてもらいますよ。」というタスクは告げられていたけれど、短く限られた時間の中で、ほぼはじめてのことをどれだけ精度を上げてできるかな、そんな気持ちが頭をぐるぐるとまわっていました。

 

ワイン農家は、葡萄の木を植えてから3年間は収穫が全くないので収入が見込めません。そんな時、収入的に助けてくれたのがトマトだったというエピソードを聞き、これは責任も重大だなと思ったと共に、彼らのトマトジュースの大ファンである私は、その最初の作物だったトマトのクオリティをここまで上げてくるって!と驚きました。

8月には、以前苗を植えたトマトの収穫のお手伝いをさせていただいたのですが、大ファンでもある美味しいトマトジュースのクオリティを落とすわけには行かない!とプレッシャーすらありました(笑)。そもそもど素人の私を手伝わせてくれる懐の深さに感動!人に任せるって勇気と覚悟がいることですよね。真夏のビニールハウスの中はとにかく暑くてサウナ状態でしたが、トマトの声を聞く気持ちで挑みました。自然の中でメディテーションをしているような感じ!

 

8月に訪れた時には、葡萄畑の隣に小さなハーブ園が。私も少しだけ苗を植えたり、カモミールを積むお手伝いを。それにしてもハーブの収穫って気が遠くなるほど細かい手作業で痺れたー!

そろそろ往復書簡らしく、次に繋げていこうかな。

朝8時からスタートし、決まった時間に休憩を挟みつつ、規則正しく淡々と行われていく日々のタスク。休憩の時間に話される、お互いへの連絡や進捗の大切さ。これがリアル生活となった陽子は、どんな思いで日々を過ごしているのかな。都会の真ん中で東京らしい仕事を全うしていた頃から一変、自然と対峙して生きていくことに戸惑いはなかった?

何もかもが初めての中で、自分だけの力で何かを始めよう!と思ったきっかけは?そして、ハーブに決めた決め手はどんなことだったのかな? Su herbのことについて、もっと教えて!

text by Hisako Namekata


田上陽子 「su herb」ディレクター

PR会社でオーガニックコスメなどを中心としたPRを経験後、スキンケアブランド「F organics」、トータルビューティーブランド「Celvoke」を立ち上げ、ディレクターを勤める。その後、北海道への移住を機に、パートナーの営むワイナリーでワイン造りに携わりながら、Suハーブ園をスタートし、自然の恵みを活かしたライフスタイルを追求中。ジュエリーブランド「ENEY」のブランドディレクターとしての顔も持つ。


行方ひさこ  ブランディングディレクター

アパレル会社の経営、ファッションやライフスタイルブランドのディレクターとして活動。近年は食と工芸、地域での活動などエシカルとローカルをテーマに、その土地の風土や文化に色濃く影響を受けた「モノやコト」の背景やストーリーを読み解き、昔からの循環を大切に繋げていきたいという想いから、自分の語感で編集すべく日本各地の現場を訪れることをライフワークとしている。2021年より、地域と文化と観光が共生することを目的とした文化庁文化観光推進事業支援にコーチとして携わる。


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